12月「冬至」~二十四節気と暮らしの香り
二十四節気とは、1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、更にそれぞれを6つに分けた季節の移り変わりを表す名称です。
この二十四節気は太陽の動きをもとに定められ、それぞれの節気は天候や生き物を美しい言葉で表されており、古くから農作業や人々の生活に密接にかかわっていました。
そんな二十四節気を毎月1つ取り上げ、季節を香りで表現していきます。
2024年12月21日は冬至です。
北半球では、1年で最も昼の時間が短く、夜の時間が長くなる日ですね。
冬至を境に、翌日からまた少しずつ日が出ている時間が長くなっていくことから
「太陽が生まれ変わる日」とも考えられ、古くから世界各地で特別な風習が行われているそうです。
冬至は別名「一陽来復」とも呼ばれ、生命の象徴である太陽の力が一番弱まる日であり、陰が極まって翌日から再び陽の気が戻ってくるという考えがあります。
古くから中国では、冬至は悪いことが続いた後で幸運に向かうこと、陰の気が極まった冬至を境に陽の気に向かうことを意味します。
すなわち、冬至は運気が上昇する転機となる、縁起が良い日なのです。
柚子湯
冬至は、暦の上では冬の真ん中ですが、本格的な冬の寒さや厳しさは、冬至の頃から始まるという意味だそうです。
そして、冬至と言えば、柚子湯ですね。
冬至に柚子湯に入る風習は江戸時代から始まり、柚子の強い香りで邪気を祓い、運を呼び込む前に体を清めると考えられていました。
柚子湯に身を沈めると、体の芯からぽかぽかと温まり、厳しい冬の寒さも一瞬忘れられるようです。
柚子の香りには、家族や大切な人との絆を思い起こさせる懐かしさがあるでしょう。
爽やかな酸味を含んだその香りには、厳しい冬を乗り越える力強さと、自然への感謝の気持ちが宿っています。
一年でいちばん夜が長い日、懐かしく爽やかな香りに包まれて、幼い頃に家族と一緒に入った柚子湯を思い出してみませんか。
小さな浴槽の中でころころと転がる柚子を追いかけた記憶と、湯気の中に溶け込んだ柚子の香り。
冬の寒さもどこか和らいで感じられる、心も体もやさしく解きほぐされていく瞬間です。
そんな冬至の夜を演出する香りを、柚子精油を軸にブレンドしてみました。
寒さで凝り固まった体をゆるゆるとほぐしてくれそうな、柚子、ジンジャー、そして檜の組合せ。
心と体を温め、日本人の心に深く根ざした季節の祈りを感じる、そんなブレンドです。
【メインの精油】
柑橘の爽やかさとぬくもりを感じる香り。
【ブレンドする精油】
スパイシーで温かみのある香りです。
悠久の歴史を感じる、国産ヒノキの香り。
【比率】
柚子 4 : ジンジャー 1 : 檜 2
柚子の爽やかな温かみとジンジャーのスパイシーな温かみが調和し、檜の重厚でまろやかな木の香りが混ざり合います。
寒い冬の夜、温かい部屋で楽しく一家団欒を過ごしているような雰囲気を、体感してみてください。
日本には美しい四季の移ろいとそれらに合わせた暮らし方があります。
二十四節気で季節を読み取り、五感で感じる。
自然や生き物で季節を感じるのは、日本ならではの感性ではないでしょうか。
毎月、わたしたちと一緒にAroma’s story で四季の香りで感じてみませんか。
来月もお楽しみに。