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2025.01.01

1月「大寒」~二十四節気と暮らしの香り

二十四節気とは、1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、更にそれぞれを6つに分けた季節の移り変わりを表す名称です。

この二十四節気は太陽の動きをもとに定められ、それぞれの節気は天候や生き物を美しい言葉で表されており、古くから農作業や人々の生活に密接にかかわっていました。

そんな二十四節気を毎月1つ取り上げ、季節を香りで表現していきます。

大寒は、冬の季節の最後の節気です。

大寒の最後の日が節分で、翌日2月4日は立春となり、最初の節気に戻ります。

この時季は1年で最も寒さが厳しくなり、寒稽古や冷たい水を浴びながら神仏に祈念する寒垢離 (かんごり)、寒夜、鉦(かね)を打ち鳴らし、念仏を唱えて寺院に参る寒念仏 (かんねぶつ) などの寒行が行われます。

寒さが厳しい時季ですが、梅や椿が咲き始めるのは、大寒に入るころです。

梅の芳しい甘酸っぱい香りに色鮮やかな椿が、冬の寒さの中にぽっと心が温まります。

寒の水

大寒は1年で最も寒い季節です。

この寒の時期に汲んだ水は「寒の水」と呼ばれ、水の冷たさの極まった様子から、神秘的な力があると信じられています。

寒さと乾燥のため雑菌が少なく腐りにくいとされることから、長期保存に向いている「寒の水」で造った酒、味噌、醤油、凍り豆腐、寒天などを仕込む時季となっています。

なかでも、「寒の入り(小寒の初日)」から9日目に汲んだ「寒九の水」は薬になるほど良質で、酒造りにおいては、最高のお酒ができるといわれています。

そんな冷たさが極まった清い寒の水をイメージしたブレンドです。

フランキンセンスの原産国では、フランキンセンスを朝夕と焚き、その煙が祈りとともに神様に届くといわれています。そんな聖なるフランキンセンスが清い寒の水を表し、レモンのクールですっきりとした香りが冷たさを表します。そして、甘く苦みのあるメディシナルなクローブの香りが、けがれを寄せ付けない強さを表しています。

酒蔵で杜氏さんたちが、凍てつく早朝に清い寒の水を汲み、酒造りを始めている姿が目に浮かびそうなブレンドです。

【メインの精油】

クリアで心にしみる香り。

【ブレンドする精油】

搾りたてのフレッシュで爽やかな香り。

甘く苦みのあるメディシナルな香り。

【比率】

フランキンセンス 2 : レモン 4 : クローブ 1

寒の水をイメージした清いフランキンセンスの香りに冷たさが極まったレモンの香り、そしてけがれを寄せ付けいないクローブの香りが、私たちを清め、けがれのない心身で、新しい春・立春を迎えられそうです。

日本には美しい四季の移ろいとそれらに合わせた暮らし方があります。

二十四節気で季節を読み取り、五感で感じる。

自然や生き物で季節を感じるのは、日本ならではの感性ではないでしょうか。

毎月、わたしたちと一緒にAroma’s story で四季の香りで感じてみませんか。

来月もお楽しみに。