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2025.05.01

5月「立夏」~二十四節気と暮らしの香り

二十四節気とは、1年を春夏秋冬の4つの季節に分け、更にそれぞれを6つに分けた季節の移り変わりを表す名称です。

この二十四節気は太陽の動きをもとに定められ、それぞれの節気は天候や生き物を美しい言葉で表されており、古くから農作業や人々の生活に密接にかかわっていました。

そんな二十四節気を毎月1つ取り上げ、季節を香りで表現していきます。

二十四節気の「立夏」から、暦の上での夏は始まります。

立夏は、春分と夏至の丁度中間にあたり、この日から立秋の前日までが「夏」とされます。

この頃は晴れの日が多く、空は澄みわたり、陽ざしはやわらかくも力強く、風も心地よく吹き抜けます。

まさに、光と香りが調和するような季節です。

山々の木々は若葉をまとい、太陽の光を浴びて瑞々しく輝きながら、日ごとに緑の濃さを増していきます。

光を含んだ葉の匂いや、土と風が運ぶ草木の息吹に、初夏らしい清らかな香りが漂います。

季語にも使われる「薫風(くんぷう)」や「風薫る」という言葉は、新緑の葉を揺らす爽やかな風に、香りまでもが乗ってくる様子を表しています。

その香りは、どこか懐かしく、それでいて新しい季節の訪れを感じさせてくれます。

光の夏

「夏が立つ」と書く立夏には、夏の気配が立ち上がるという意味が込められています。

気温はまだ穏やかですが、日差しは徐々に強くなり、「光の夏」とも呼ばれるほど、陽の光が力を持ち始めるころです。

その光を受けて、野山や草木は生命力を帯びた香りを一層濃く放ち、空気までもが色づいているように感じられます。

そんな風薫る立夏の情景をイメージして、香りのブレンドを作りました。

まばゆい初夏の陽ざしには、清涼感とほんの少しの苦みを持つライムを。

青葉や若葉を揺らすそよ風には、グリーンで透明感のあるラバンジンを。

そして、日に日に夏が深まっていく空気の中に、甘く芳醇なジャスミンの香りを重ねました。

光に満ちた初夏の日々、その中でふと感じる自然の香りを、ぜひ感じてみてください。

【メインの精油】

爽快感と苦味を感じる柑橘の香り。

【ブレンドする精油】

シャープな中にも甘さとハーバルさを感じる香り。

芳醇で甘みのある温かい香り。

【比率】

ライム 4 : ラバンジン 2 : ジャスミン 1

風薫る立夏の香りを、室内でも楽しんでみませんか。

お部屋が初夏の爽やかな香りに包まれ、心も自然とゆったりとくつろげるはずです。

新緑の風が吹き抜けるような季節に、清々しい香りとともに、心地よいひとときをお過ごしください。

日本には美しい四季の移ろいとそれらに合わせた暮らし方があります。

二十四節気で季節を読み取り、五感で感じる。

自然や生き物で季節を感じるのは、日本ならではの感性ではないでしょうか。

毎月、わたしたちと一緒にAroma’s story で四季の香りで感じてみませんか。

来月もお楽しみに。